MY COFFEE SHOP IS OPEN.

スタバにあらわれた男と女。といっても年の頃は七つか八つ。手と手重ねる姿も睦まじく、傍目には兄妹か御学友といった様子。身成身支度は今風だけど、流行物じみた嫌味はない。洗練という言葉をキッズサイズに仕立てれば、まさにこんな感じかといったところ。いずこのご子息ご令嬢やらと辺りをうかがうが、パピーマミーが近づいてくる風でもなく。二人慣れた様子でオーダーを済ませ、向かい合って席に着いたところで、野暮な僕にもようやく、なんとなく事が飲み込めた。ははあ。そうでござるかでございますことよ。
ミルクもココアも飲ませない。女の子はテーブルに着くなり、小脇に抱えたバッグを開く。取り出したるは深紅のリボン、金色に輝く包装紙。「はいプレゼント」「ありがとう」 ああもう勝手にしてくれよ腹減ったよ今日も我家はカレーだよ。微笑ましさと腹立たしさがせめぎ合うなか、ニートのお兄さんは席を立つ。オマエラモハタラケクルシメムショクニナレ。
小さな幸せを尻目に表に出ると、冬の冷気が頬に張りつく。寒いなんてもんじゃない。夜風が鼻っ柱を叩きつけ、股ぐらにヒヤリとした予感がよぎる。股ぐらだって? 不安な股間に手を伸ばし、僕はすべてを理解する。そしてまわりの様子を確かめると、人目を避けつつ、ひとつずつあわてずに、だが確実にボタンをはめていった。




【最近買ったCDを他人に薦めるコーナー】

Listen of

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ブラジル産SSWのあまほろ苦いノスタルジア
ロジャニコとギルバート・オサリバンの遺伝子学上の親戚、てのはウソ。

Insight Out

Insight Out

ソフトロックなめんなよ。ぐるぐるまわるコーラスワーク。
出口のない迷路への入口的アルバム。買い遅れたことを反省してます。

Hurried Life

Hurried Life

アコギ1本でがんばるジョニ・ミッチェル
コードもメロディもエキセントリック。だけど美しい。故人じゃないよ。


あ、Wouter Hamel のライブ行ってきました。