一昨日は夏だった

あまりの暑さに、やる気なんてとっくの昔に失せている。会社も仕事もとけてなくなってしまえばいいのに。息詰まるオフィス、メガネの上司、果てしなく延びる入稿日。すべてがとけて、東京は巨大な湖になる。家に帰るのもひと苦労。僕は上手く泳げないから、きっと溺れてしまうだろう。そういえば、この夏はあまりプールに行けなかったな。そんなことを考えながら電車を降りる。

駅の改札を抜け、夜道を歩く。人気のない公園で、猫たちがだらしなく身を投げ出している。この暑さならグルグル走りまわらなくてもバターになれるだろう。そういえば猫って泳げるんだっけ?